ボクサー骨折とは

ボクサー骨折(中手骨頚部骨折)とは、手の甲にある5つの中手骨のうち、主に小指の付け根にある第5中手骨を骨折することを指します。
名前の通り、ボクサーがパンチをする際に起こしやすい骨折ですが、日常生活での転倒や衝突・スポーツ現場など、様々な原因で起こる可能性があります。
原因
拳で硬いものを強く殴る
ボクシングのパンチや、壁・ドアなどを殴った際に、小指側の拳に強い力が加わり骨折することが多いです。
転倒して手をつく
特に、手の甲側から衝撃が加わった場合に起こることがあります。
衝突事故・コンタクトスポーツ
スポーツや事故などで、手の甲に直接的な衝撃が加わることによって起こることがあります。
症状
- 手指の痛み
- 骨折部の圧痛
- 腫脹(はれ)
- 内出血
- 熱感
- 手指の運動時痛
- 手の甲の変形

骨折した部分を中心に、手の甲や小指の付け根に強い痛みが生じます。また、骨折の転移が大きい場合には変形が著明に見られ、骨折部を放置してしまうと偽関節などの後遺症が残る可能性があります。
偽関節とは?
偽関節は骨折部がしっかり治らずに骨癒合が終了してしまうことです。
骨折部が硬化して、名前の通り関節のようになってしまいます。
一般的には、6ヶ月以上経過して骨折の固有症状である異常可動性が明確な場合に偽関節と判断されます。
固定をしていなかったり、捻挫と誤診されてそのまま放置していたりすると、偽関節を発症してしまう確率は高まります。
治療法
症状によって治療を選択して、
早期回復を促します!
ボクサー骨折の治療法は、骨折の原因・程度や症状などを考慮して選択されます。
骨折部の転位(ずれ)が比較的少ない場合は、整復・固定を行い保存療法を行います。
転位が大きい場合や神経・血管が巻き込まれている可能性が高い場合は整形外科にて手術や入院を選択することがあるため、近隣の整形外科へ紹介して治療を併用していきます。
当院では、骨折部に対して固定・安静・冷却を行い、日常生活でも痛みを抑制し、早期回復を目指します。
経過次第では物理療法・鍼灸治療と並行してリハビリテーションを施行し、骨の再生・疼痛緩和と筋緊張の除去、関節の可動域拡大を目的として治癒を促します。
当院では症状の経過次第で、疼痛緩和と筋緊張の除去・関節の可動域拡大を目的としてスポーツマッサージや鍼灸治療を施行します。
- 前腕スポーツマッサージ
- 関節モビライゼーション
- 鍼灸治療
- 罨法(アイシング・ホットパック)
物理療法で患部を刺激をすることで治癒力を促進し、早期回復を目指す治療を施行します。
超音波治療
微弱な超音波によって骨に微細振動を照射し骨癒合を促進します
マイクロカレント(微弱電流波)
生体内に流れる電流と同様の微弱電流を人工的に流すことで細胞組織の修復を行います
リハビリテーションでは、日常生活の復帰を目指すメディカルリハビリテーションだけでなく運動(競技)復帰を目指すアスレティックリハビリテーションも行います。
- 手関節の可動域訓練
- 前腕の筋力トレーニング
- 手指巧緻性トレーニング
- 日常生活動作の獲得
- 競技別トレーニング
コレクティブエクササイズ