下駄骨折とは
下駄骨折とは短腓骨筋腱の牽引による第5趾中足骨基部の裂離骨折で、骨折線は中足骨の軸を垂直に走ります。骨折部の転位はほとんどなく比較的予後は良い疾患です。
一昔前の履物である下駄を履いて足を捻ると、第5趾中足骨基部を骨折しやすかった事から下駄骨折と呼ばれるようになりました。
現代は下駄をはくことは少なくなりましたが、足関節を内側に捻挫した際に多く見られる骨折です。
原因
様々な要因で骨折する
- スポーツ中(ジャンプ着地時など)
- 歩行時のねんざ
- 段差を踏み外したとき
- ヒールの高い靴を履いているとき
- 交通事故
足を内側にひねった際に、第5指中足骨に付着する短腓骨筋腱が引っぱられ、その牽引力と中足骨のねじりによって骨折が発生します。
足関節捻挫と発生機転が同じため、靭帯損傷と骨折の鑑別が必要になります。
症状
- 足背~小趾側の腫れ・熱感・血腫(内出血)などの炎症症状
- 第5中足骨基部の限局的な圧痛
- 歩行痛(荷重時痛)
- 関節可動域制限
ズデック骨萎縮を起こすことがあるので注意
ズデック骨萎縮(急性反射性骨萎縮)とは、骨折などにより患部よりも末端の骨が委縮し、関節部の疼痛・関節の拘縮・血行障害を生じ、皮膚に特有の光沢を示す疾患です。
治療法
症状に合わせて治療法を選択していきます!
基本的には保存療法で進めていきます!
骨折に対しての整復は受傷から時間が経てば経つほど整復時の疼痛と整復困難を伴うため早期の治療が必要です。接骨院では古来からの柔道整復術を使って脱臼整復を行います。
その後は固定・安静・冷却などの治療法と並行してリハビリテーションを施行していきます。
下駄骨折は固定をすることで3~6週ほどで骨癒合が期待でき、歩行時痛が強い場合は免荷のために松葉杖などを使用して回復を促します。
経過次第で疼痛緩和と筋緊張の除去・関節の可動域拡大を目的としてスポーツマッサージや鍼灸治療を施行します。
- 足部スポーツマッサージ
- 関節モビライゼーション
- 鍼灸治療
- 罨法(アイシング・ホットパック)
物理療法で患部を刺激をすることで治癒力を促進し、早期回復を目指す治療を施行します。
超音波治療
微弱な超音波によって骨に微細振動を照射し骨癒合を促進します
マイクロカレント(微弱電流波)
生体内に流れる電流と同様の微弱電流を人工的に流すことで細胞組織の修復を行います
リハビリテーションでは、日常生活の復帰を目指すメディカルリハビリテーションだけでなく運動(競技)復帰を目指すアスレティックリハビリテーションも行います。
- 足関節の可動域訓練
- 足指の筋力トレーニング
- 足関節周囲の統合トレーニング
- 日常生活動作の獲得
- 競技別トレーニング
コレクティブエクササイズ
骨折部の負荷を下げるように日常生活指導やセルフケア、運動中の痛みに対しても、テーピングやサポーターを処方して痛みを抑制させます。
骨折後もスポーツでのパフォーマンスを発揮させるために、身体機能や柔軟性を分析して必要な最適動作の獲得を目標とします。
当院ではコレクティブエクササイズを取り入れ、体幹〜下肢の筋力強化と柔軟性・安定性・バランス力向上及び腰椎骨盤−股関節複合体(LPHC)の機能向上を目指していきます。
種目や競技日程・運動習慣や年齢などを考慮してゴールを設定し、それに必要な運動療法を行います。
- アスレティックリハビリテーション
- 腰椎骨盤−股関節複合体(LPHC)機能の向上
- LPHC柔軟性・安定性向上
- 頚部−上肢−体幹−下肢筋力・協調性強化
- 筋バランス向上
- 競技動作に対しての身体操作訓練
コレクティブエクササイズ
ケガの原因となった部位のアライメント不良・スポーツ時のパフォーマンス不良がある場合にはフィジカル機能に対しての修正が必要になります。
インソール療法・コレクティブエクササイズは、効率的な統合運動能力の獲得を目指し、痛みの改善とパフォーマンス向上に効果があります。
↑こんな選手には効果的!
- バランスが悪く転倒しやすい
- 足の裏が扁平足
- 足の趾(ゆび)が曲がらない
- 膝が内側・外側に向いている
- 踵の他にも痛みがある
- ふくらはぎが張りやすい