野球肩とは
野球肩とは、繰り返される投球動作によって肩に痛みや違和感を感じ、投球動作に支障をきたす状態を総称したものです。
肩の使いすぎによって起こるスポーツ障害の代表的なもので、野球だけでなく、バレーボールや水球などオーバーヘッドスローを行うスポーツ選手にも多く見られます。
原因
肩関節の不安定性
繰り返しの投球動作により、肩関節の安定性を保つための筋肉や靭帯が損傷し、関節が不安定になります。
腱板損傷
肩関節を動かすための腱板(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)と呼ばれる筋肉が、繰り返しの摩擦や負荷によって損傷します。
肩を動かす際に、肩の骨と腱・滑液包などがぶつかり、炎症を起こします。
上腕骨骨端線障害(リトルリーグ肩)
成長期の子供に多く見られる、上腕骨の骨端線が損傷する状態です。
症状
- 投球時(オーバーヘッド時)の肩の痛み
- 肩関節の可動域制限
- 脱力感(力が抜ける)
- クリック音
治療法
疼痛が強い場合には運動を制限し、
痛みの原因に対してのアプローチをしていきます!
痛みが強い場合は投球を中止して、肩関節の休息を促します。
並行して、疼痛緩和・血液循環の促進と筋緊張の除去・可動域改善を目的とし、徒手療法や物理療法・鍼灸治療を施行していきます。
投球時の関節機能障害・姿勢不良が原因であることが考えられるので、運動療法(コレクティブエクササイズ等)を行い、投球動作の修正やパフォーマンス改善・ケガの予防を目指していきます。
また、肩関節への負荷を下げるように日常生活指導やセルフケア、運動中の痛みに対しても、テーピングやサポーターを処方して痛みを抑制させます。
- 肩背部〜上肢スポーツマッサージ
- 脊柱マニュピレーション
- 関節モビライゼーション
- ストレッチ
- 罨法(冷・温熱刺激)
- 鍼灸治療
- 超音波治療
- 干渉波・EMS
- ハイボルテージ
- マイクロカレント(微弱電流波)
- スーパーライザー
- 包帯・テーピング
- サポーター
インソール療法
急激な痛み・症状の軽減など経過次第で、日常生活動作に合わせた無理のない範囲の運動療法を積極的に行っていきます。
当院ではコレクティブエクササイズを取り入れ、頚部〜肩甲胸郭・体幹〜上肢の筋力強化と柔軟性・安定性・バランス力向上及び腰椎骨盤−股関節複合体(LPHC)の機能向上を目指していきます。
また、野球肩の原因をスクリーニングし、身体機能や柔軟性を分析して必要な最適動作の獲得を目標とします。
競技日程・運動習慣や年齢などを考慮してゴールを設定し、それに必要な運動療法を行います。
- アスレティックリハビリテーション
- 腰椎骨盤−股関節複合体(LPHC)機能の向上
- LPHC柔軟性・安定性向上
- 頚部−上肢−体幹−下肢筋力・協調性強化
- 筋バランス向上
- 競技動作に対しての身体操作訓練
コレクティブエクササイズ
野球肩の原因となる各部位のアライメント不良・スポーツ時のパフォーマンス不良にはフィジカル機能に対しての修正が必要になります。
インソール療法・コレクティブエクササイズは、効率的な統合運動能力の獲得を目指し、痛みの改善とパフォーマンス向上に効果があります。
↑こんな選手には効果的!
- バランスが悪く転倒しやすい
- 足の裏が扁平足
- 足の趾(ゆび)が曲がらない
- 膝が内側・外側に向いている
- 踵の他にも痛みがある
- ふくらはぎが張りやすい