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バーナー症候群

バーナー症候群とは

バーナー症候群(上肢放散痛症候群)はアメリカンフットボールやラグビーなどの激しいコンタクトスポーツでみられ、頭頚部が瞬間的に強い外力を受けた際に起こる一過性の神経障害です。頚椎の椎間孔(首の骨と骨の間にある神経が通る穴)を通る腕神経叢が圧迫されます。この神経は首から腕にかけて走行している神経の束に繋がっているので、この神経が傷害されると首から肩・腕にかけて強烈な痛み・しびれを感じます。まるで燃えているかのように熱く感じるためこの名がついています。

原因

頚椎(首の骨)に、伸展・屈曲・長軸方向への圧迫(頭のてっぺんから押さえつけられるような圧力)などが強制されると頚椎の椎間孔(首の骨と骨の間にある神経が通る穴)を通る神経が圧迫されます。アメフトやラクビーなどのコンタクトスポーツや各種格闘技で発症します。

ストレッチ損傷

例えばアメフトで右肩からタックルし頸部が左に押され、頸椎は左側屈強制され、右肩が下方に押されることにより右腕神経叢に牽引力が生じ損傷を受けます。

神経根圧迫損傷

障害上肢と同側への頸部側屈によって狭小化した神経孔によって神経根が圧迫を受けて損傷します。

腕神経叢の圧迫損傷

タックルなど肩部の直接的な衝撃が腕神経叢を圧迫することによって損傷を受けます。

症状

片側の首から上肢(腕)にかけての焼けるような激しい放散痛(広がっていくような痛み)が中心で、コンタクトスポーツでは相手と激しくコンタクトした瞬間に起こります。しびれや筋力低下を呈することもあります。一過性なので痛みは数分で軽快することがほとんどですが、数ヶ月持続するものもあります。実際には第5頚椎と第6頚椎の損傷がほとんどで、肩から前腕の知覚障害、肩の挙上や肘の屈曲障害を症状とする例が多いです。

grade Ⅰ受傷直後数分で知覚運動障害が改善し、2週間以内に完全に症状が回復
grade Ⅱ三角筋、上腕二頭筋、棘上筋、棘下筋の筋力低下が数週間~数ヶ月持続
grade Ⅲ筋力低下、知覚障害が1年以上残存

症状誘発検査法

※症状が増悪する場合があります

治療法

基本的に受傷後の症状は一時的で、短時間で軽快します症状が継続する場合は受傷後3週間程はなるべく安静にし、神経障害の回復を優先させます。並行して、損傷部位周囲の筋緊張の緩和患部に対しての物理療法などで疼痛を軽減させていきます。

疼痛緩和と筋緊張の除去を目的に徒手療法や鍼灸治療・物理療法を行います。

  • 頚背部スポーツマッサージ
  • 肩甲骨モビライゼーション
  • 頚部マニュピレーション
  • 鍼灸治療
  • 超音波治療
  • 干渉波・ハイボルテージ・EMS
  • マイクロカレント(微弱電流波)
  • スーパーライザー
  • 罨法(アイシング・ホットパック)
  • テーピング
  • アスレティックリハビリテーション
ストレッチ2
頚椎から肩の周囲の筋力アップが最も重要!

特に僧帽筋は、強化しておくことで怪我を予防するとともに、コンタクトによる頚部の損傷を最低限に抑える働きがあります。その他の首周囲の筋肉も、前後左右斜めなど多方向から負荷をかけてトレーニングしておく必要があります。アメリカンフットボールでは頚部の支持性に優れたプロテクターが市販されていますが、頚部の可動域が制限されてしまうため、競技性との兼合いが難しいとされていますので、自らの筋肉を鍛えてプロテクターの代わりにすることがベストな予防方法といえるでしょう。また、競技中に不完全な姿勢でコンタクトしないように心がけるなど危険を避けるための技術を身につけることも忘れてはいけません。

アライメント不良・スポーツ時のパフォーマンス不良がある場合にはフィジカル機能に対しての修正が必要になり、効率的な統合運動能力の獲得を目指します。

治療実績

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