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扁平足

扁平足とは

扁平足(へんぺいそく)は、足のアーチ(土踏まず)が低下または消失した状態です。足には、内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチの3種類があり、それぞれ歩行時の衝撃を吸収し、足の筋肉や関節を保護する役割を果たしています。扁平足では足部の機能・役割が低下し、様々な障害を引き起こす可能性があります。

原因

  • 遺伝的要因
  • 先天的骨格形態異常
  • 足部筋力低下
  • 靭帯・関節の安定性低下
  • スポーツや生活習慣による影響
  • 外傷による二次的障害
  • 神経疾患など

足部のアーチ低下

足部には足指から踵を通ってアーチ構造があり、荷重時の保護機能・衝撃やバランスの崩れを吸収したり、歩行運動におけるバネのような働きなど、歩行・走行に対する重要な役割を果たしています。

内側縦アーチ

内側の1〜3足指から中足骨−楔状骨−舟状骨−距骨−踵骨で形成されている、いわゆる「土踏まず」です。

外側縦アーチ

外側の4・5足指から中足骨−立方骨−踵骨で形成されています。

横アーチ

内側から外側にかけて楔状骨−中足骨−立方骨で形成されています。横アーチの保持には、骨をつなぐ靭帯とアーチを横切る筋肉が関与しています。

オーバープロネーション

遺伝的要因による扁平足は若年者にも多くみられます。関節が変形しやすい体質や、骨・軟骨形態異常、関節・靭帯の柔軟性が高い人が扁平足になる可能性が高いです。

様々な要因で足のアーチ構造が崩れた状態では、距骨が過度に内側へ移動(距骨の過回内=オーバープロネーション)するため、立位または歩行(運動時)に負荷が掛かりやすくなります。

スポーツへの関与

足関節周囲にある筋肉の機能低下により、走行・ジャンプなどのパフォーマンスに不効率な運動連鎖が生じると症状を誘発します。

サッカーやラグビーのようなダッシュ・方向転換など足に負担のかかるスポーツは過剰な外力がかかり、マラソンなどの長時間走る動作は足底部に継続的な外力を受け続けます。

パフォーマンス不良が長期間にわたり繰り返されると、運動時のアーチ構造に過負荷が生じて、痛みを誘発する可能性が高くなります。

症状

扁平足は無症状の場合もありますが、以下の症状が誘発されます。

  • 足の痛み
  • 足部・下肢の疲労感
  • 足部機能低下
  • 姿勢不全の誘発
  • 扁平足由来の変形(外反母趾・X脚など)
  • 歩行のふらつき・アンバランス
  • 関節炎誘発

治療法

扁平足は無症状な場合が多いですが、初期段階でも変形に対する治療が必要です。痛みの発生機序に足部の変形が関与していることから二次的障害を誘発する場合が考えられます。日常生活由来の変形による関節炎や全身への影響など、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。

痛みに対しての治療では、足関節周りの筋緊張の緩和・ストレッチや患部に対しての物理療法・鍼灸療法などで炎症と疼痛を軽減させていきます。

同時にリハビリを行い足底・足趾・下腿のインナーマッスル強化、安定性・柔軟性向上などを目標に、変形予防に対する身体づくりを目指していきます。

また、ウォーミングアップやクールダウンなど日常生活でできるセルフケアも重要になってきます。

保存療法・リハビリテーション

  • 下肢スポーツマッサージ
  • 足部モビライゼーション
  • マニュピレーション
  • 冷罨法(アイシング処置)
  • 温罨法(ホットパック)
  • 超音波治療
  • アスレティックリハビリテーション
  • 鍼灸治療
  • 干渉波・ハイボルテージ・EMS
  • マイクロカレント(微弱電流波)
  • テーピング
  • サポーター
  • コレクティブエクササイズ
  • インソール療法
足整板

扁平足などの足部アライメント不良やスポーツ時のパフォーマンス不良がある場合にはフィジカル機能に対しての修正が必要になります。

インソール療法・コレクティブエクササイズは、効率的な統合運動能力の獲得を目指し、痛みの改善とパフォーマンス向上に効果があります

また、シューズを着用するスポーツでは、正しいスポーツシューズの履き方・足に合ったシューズの選択やフィッティングが扁平足を予防する要因になります。

▶︎アライメント不良に対してのインソール療法について

▶︎パフォーマンス不良に対してのコレクティブエクササイズについて

↑こんな選手には効果的!

  • バランスが悪く転倒しやすい
  • 足の裏が扁平足
  • 足の趾(ゆび)が曲がらない
  • 膝が内側・外側に向いている
  • 踵の他にも痛みがある
  • ふくらはぎが張りやすい

治療実績

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