突き指とは
突き指は、指に対して長軸方向(指先)に外力が働くことで、腱や靭帯・骨に損傷を生じることがあります。ボールを使った競技や、日常生活の中でも多く見られるケガです。
軽視されがちですが、重症だと脱臼や骨折を伴う場合もあるので適切な判断・処置が必要になります。
分類
⑴ 脱臼を伴う突き指
骨をつなぐ靭帯を損傷し、骨が正しい位置(関節)から逸脱してしまう状態です。
⑵ 腱の断裂を伴う突き指
末節骨に付着している伸筋腱が断裂することで指の第1関節が伸ばせなくなる状態です。
⑶ 骨折を伴う突き指
直接的な外力による骨折や、腱・靭帯の牽引力により骨がはがされるような裂離骨折を発症します。
症状
指を曲げたり伸ばそうとすると強い痛みを伴い、動きが制限されます。骨折や脱臼を伴っていると外見上の変形が見られるものもあります。
- 指の痛み(圧痛)
- 腫脹(はれ)
- 熱感
- 関節可動域の制限
- 内出血
- 運動時痛
- マレットフィンガー
治療法
受傷直後は安静・固定!
日常生活・仕事の痛みに考慮しながら、治療を行っていきます!
損傷の重症度によって期間は異なりますが、固定・安静・アイシングを行います。特に損傷初期の固定・安静は重要で、症状の経過に影響します。固定は包帯固定や硬性・軟性材料、テーピングを使用します。
並行して患部に対しての物理療法などで炎症と疼痛を軽減させていき、早期回復を目指す治療を施行します。初期段階では、指を安静・固定することで動きを制限し、負担を軽減することができます。
また、靭帯の完全断裂や骨折を伴う場合、観血療法の適応となることがあります。
超音波治療
微弱な超音波によって軟部組織の治癒力を促進します
マイクロカレント(微弱電流波)
生体内に流れる電流と同様の微弱電流を人工的に流すことで細胞組織の修復を行います
疼痛緩和と筋緊張の除去、関節の可動域拡大を目的としてスポーツマッサージや鍼灸治療を施行します。
- 前腕スポーツマッサージ
- 関節モビライゼーション
- 鍼灸治療
- 罨法(アイシング・ホットパック)
経過次第でリハビリを行い、指周囲の筋力強化・安定性・柔軟性向上などを目標に再発しないような身体づくりを目指していきます。また、日常生活でできるセルフケアも重要になってきます。
リハビリテーションでは、痛みに対しての再発予防、運動(競技)復帰を目指すためのアスレティックリハビリテーションも行います。
- 指関節の可動域訓練
- 手指・前腕の筋力トレーニング
- 巧緻性トレーニング
- 日常生活動作の獲得
- 競技別トレーニング
コレクティブエクササイズ
スポーツをしている人は運動後のケアも大切になるため、運動頻度や強度・ピーキングなど選手に合わせた治療を行います。