足底腱膜炎とは
足底腱膜炎とは、足底腱膜と呼ばれる足の裏に存在する腱膜が炎症を起こした状態のことです。
足底腱膜は足底のアーチ構造(いわゆる土踏まず)を支えており、足にかかる衝撃を吸収する役割や、吸収した衝撃を蹴り出す際のエネルギーとして活用する役割をしています。走る・跳ぶなど、踵や足底に負荷がかかるスポーツで症状が強く出る場合もあります。
原因
オーバーユース
陸上競技・球技などのスポーツや長時間歩き続けることなどの足底腱膜に繰り返し負荷がかかり負傷します。自分の足に合っていない靴を履いていたり、硬い道路などでランニング・トレーニングをしていたりする場合も足底腱膜に負荷がかかりやすくなります。
アライメント不良とパフォーマンス
足底部には3つのアーチが存在し、身体の重みや衝撃の吸収を行なっています。この足底部アーチが低下または上昇することで本来吸収されるより多くの衝撃が足底腱膜にかかり、付着部や足底部に炎症を起こします。
また、歩行時の足部の過回内(内側に倒れる動き)や足底アーチの不形成(扁平足)などのアライメント不良の影響で衝撃の吸収がうまくできず、ふくらはぎや足底に負担がかかり痛みが誘発されます。
症状
荷重時の足底部痛が主な症状で、踵の腱膜起始部に最も多く発生します。特に起床時の1歩目や運動開始時に強い痛みを感じる傾向があります。
- 踵(かかと)の痛み
- 踵を押すと痛む
- 運動時の痛み
- 患部の熱感・腫れ
- 歩行・荷重時痛
踵骨棘形成
踵骨棘は、かかとの骨(踵骨)から過剰な尖った骨が増殖したものです。足底に伸びている結合組織である足底腱膜により、踵骨に過度な張力がかかることで骨棘ができることがあります。踵骨棘が、必ずしも症状を引き起こすわけではありませんが多くの場合、強い痛みを引き起こします。症状が生じる場合でも、ほとんどは手術をしなくても治療できます。
治療法
発症初期の安静・運動強度を調整しながら治療を行っていきます!
痛みが出始めて1〜2週間の運動制限することで予後は良好で、骨棘の発生を防ぎます。並行して、ふくらはぎ〜足底部の筋緊張の緩和・ストレッチや患部に対しての物理療法などで炎症と疼痛を軽減させていきます。また、足部の型(アライメント)を矯正し、運動改善することで症状を改善していきます。
歩行時や運動時では、踵の痛みを緩和するためにテーピングや緩衝材を処方します。特に運動を続ける選手は痛みを抑えるために重要です。
- 下肢スポーツマッサージ
- 足部モビライゼーション
- 冷罨法(アイシング処置)
- 超音波治療
- アスレティックリハビリテーション
- 鍼灸治療
- 干渉波・ハイボルテージ・EMS
- マイクロカレント(微弱電流波)
- テーピング
- ヒールパッド・サポーター
コレクティブエクササイズ
インソール療法
足部アライメント不良・スポーツ時のパフォーマンス不良がある場合にはフィジカル機能に対しての修正が必要になります。インソール療法・コレクティブエクササイズは、効率的な統合運動能力の獲得を目指し、痛みの改善とパフォーマンス向上に効果があります。
↑こんな選手には効果的!
- バランスが悪く転倒しやすい
- 足の裏が扁平足
- 足の趾(ゆび)が曲がらない
- 膝が内側・外側に向いている
- 踵の他にも痛みがある
- ふくらはぎが張りやすい