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2024.09.04(Wed)

足から診る痛み・障害 Vol2 【足底腱膜炎(踵骨棘)】

患者さん
患者さん

朝起きた時、長時間座った後に最初の数歩を踏み出した時、足裏に強い痛みを感じる
かかとや足裏の土踏まずに痛みを感じる
長時間の立ち仕事や運動の後、痛みが悪化する

タカスポ
タカスポ

このような異常を抱えている方は【足底腱膜炎】かもしれません。
足底腱膜炎は足部の異常が原因となることが多く、今回の足から診る痛み・障害は【足底腱膜炎】についてお話ししていきます。

足から診る足底腱膜炎

足底腱膜炎は足底腱膜と呼ばれる足裏の厚い組織に慢性的な炎症が生じる疾患です。

病態や原因や治療法についてはこちらを参考にしてください

スポーツなどで診られる足底部の痛みで、オーバーユースや疲労の蓄積によって発生します。
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足から診る足底腱膜炎の原因

オーバープロネーションが足底腱膜炎を引き起こす

オーバープロネーションとは、足関節が歩行時に過度に内側に倒れ込む状態を指します。この状態が持続すると、足底内側縦アーチと足底外側横アーチの低下を招き、足全体の機能に悪影響を及ぼします。

【足底腱膜への過度なストレス】

足が内側に倒れ込むことで、足底腱膜が引っ張られ、常に緊張状態になります。この状態が長く続くと、足底腱膜に炎症が起こりやすくなります。

衝撃吸収機能の低下

足部のアーチが崩壊することで、歩行時の衝撃吸収機能が低下し、足底腱膜に直接的な衝撃が加わります。

筋バランスの崩れ

オーバープロネーションは、下腿部の筋群のバランスを崩し、足底筋群の機能低下を招きます。これにより、足底腱膜へのサポートが不十分となり、過負荷の状態が持続します。

足から診る足底腱膜炎のメカニズム

足底腱膜のバイオメカニクス

足底腱膜は踵から足趾まで伸びていて、筋線維が足趾の内在屈筋と同化している平らな組織(腱)で、内外側の縦アーチと関節を支え、衝撃吸収や歩行時の蹴り出しの補助を行うスプリングのような機能を持っています。

足趾が伸展すると、ウインチの原理により足底腱膜が緊張します。距骨下関節の回外に作用し、後足部と中足部の安定化に寄与します。また緊張した足底腱膜は、受動的に屈曲方向に作用を及ぼすことによって足趾を床に押しつける活動をサポートしています。

内側縦アーチの低下

オーバープロネーションによって内側縦アーチが低下し、内側足底腱膜と踵骨腱付着部に大きな牽引力が持続的、反復的にかかることで足底腱膜や踵骨の損傷を起こし炎症が発生します。

距骨・舟状骨の内転・底屈

距骨下関節の回内時、距骨は内転・底屈に働きます。オーバープロネーションが起こると距骨が舟状骨とともに足底腱膜を物理的に圧迫することで足底腱膜に損傷をもたらします。

第1趾列の前上方転移

オーバープロネーションによって第1趾列の背屈力がかかり第1中足骨頭が前上方に転移し、内側足底腱膜と母趾外転筋が強く引っ張られ慢性的な損傷を引き起こします。

足から診る足底腱膜炎の症例

まとめ

足底腱膜炎は、オーバープロネーションと密接な関係があります。内側縦アーチの機能低下が、足底腱膜への過剰な負担を引き起こし、炎症へとつながります。早期に適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

当院ではインソール療法を積極的に行っています。ぜひご相談ください。

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