「子供がよく転んで、歩き方がフラフラしている気がする」
「子供が扁平足気味で心配」
「子どもの靴の選び方について詳しく知りたい」
当院でも多くの子どもの【あし】についての質問をお聞きします。
足育は子どもの頃から正しい足のケアを行い、健康な足を育成する取り組みで、近年注目を集めている分野です。足は、人体における基盤であり、姿勢や運動能力、さらには全身の健康に深く関与しています。
今回は【子供の足育】についてお話ししていきます。
足育とは?
小児期における足の健康的な発育を促し、生涯にわたる足と体の健康基盤を築くための教育的介入です。近年、運動不足や生活習慣の変化に伴い、子どもの足の健康問題が深刻化しており、足育の重要性が再認識されています。
足育の実践方法についてはこちら
なぜ今、足育が重要視されているのか?
足育が重要視されている背景
【生活習慣の変化】 室内での活動が増え、裸足で遊ぶ機会が減るなど、子どもの生活環境が変化してるため足裏への感覚入力が減少し、足の自然な発育が害われます。 |
【不適切な靴の着用】 靴の選択肢が増え、足の成長を阻害する硬い靴や、成長やサイズの合わない靴の長期的な着用により、足の変形やトラブルを引き起こす可能性があります。 |
【運動不足】 運動(特に足指の屈伸運動や広げ伸ばし運動)不足により、足裏の筋肉が弱まり、足のアーチが崩れるなど、様々な問題が生じやすくなります。 |
足育の重要性
【姿勢の安定性への貢献】
足は身体全体の重心を支え、姿勢を安定させる役割を担います。また、歩行や走行など、あらゆる運動の基盤となるため、足のアーチ形成や筋肉の発達を促すことで、正しい姿勢を維持し、身体全体のバランスを保つことに寄与します。
【運動機能の向上】
足の柔軟性や筋力を高めることで、歩行、走行、ジャンプなどの運動能力が向上し、スポーツパフォーマンスの向上にも繋がります。
【神経系の発達】
足からの感覚入力は、脳の発達に深く関与しており、特に小脳や大脳基底核の機能と関連があることが明らかになっています。
足のトラブルが引き起こす問題点
【痛み】
歩くのがつらい、運動ができないなど、日常生活に支障が出てしまいます。
- 扁平足
- 外反母趾
- 内反小趾
- 足指の変形( ハンマー趾、マレット趾など)
- 骨端症(成長痛の一種で、かかとや膝などに痛みが出る)など
【姿勢の悪化】
身体全体のバランスが崩れ、運動能力の低下や成長障害の原因になります。
【自信の喪失】
運動が嫌いになり、運動不足につながることや外見の変化や痛みによって、自信をなくす原因になります。
こんにゃく足って知ってますか?
「こんにゃく足」は、小児期における足底部の筋力低下、特に足底弓の形成不全を指す俗称です。足底部の柔軟性が過剰となり、体重を適切に分散できず、歩行や運動機能に悪影響を及ぼす可能性があります。
この状態を引き起こす要因としては
- 運動不足: 室内での活動の増加や、適切な運動不足による筋力低下。
- 靴の選択: 足の成長を阻害する硬い靴や、サイズの合わない靴の長期的な着用。
- 姿勢の悪さ: 長時間座り込む姿勢や、足組みなどの習慣。
- 遺伝的要因: 先天的な足の形状や筋肉の質による影響。
こんにゃく足の悪影響
こんにゃく足は、以下の問題を引き起こす可能性があります。
- 姿勢異常: 扁平足、O脚、X脚、猫背など、全身の姿勢に悪影響を及ぼす。
- 運動機能低下: バランス感覚の低下、持久力の低下、運動時の痛みなど、運動能力全般に悪影響を及ぼす。
- 成長期の足の変形: 外反母趾、開張足などの足の変形を引き起こす可能性がある。
- 成人後の足トラブル: 足底筋膜炎、膝痛、腰痛などの原因となる可能性がある。
足育が必要な子どもとは?
足育が必要な子供は、必ずしも特定の症状が出ているとは限りません。成長期に適切なケアを行わないと、足の変形が固定化し、一生残ってしまう可能性があります。
【足育が必要な子どもの主な特徴】
- 歩き方がぎこちない、つま先歩きが多い
- よく転ぶ・足首を捻挫しやすい
- O脚やX脚が気になる
- 扁平足が疑われる
- 靴のサイズがすぐに合わなくなる
- 長時間の歩行が辛い、すぐに疲れる
- 運動が苦手、嫌い
- 集中力がない、落ち着きがない
- O脚、X脚(内股、外股)
- 姿勢が悪い・猫背・反り腰
- 足、膝、腰などに痛みを訴える
外遊びが少なく、運動不足気味な子どもやハイハイやつかまり立ちが遅かった子どもは足の筋肉や関節の発達や足の協調性が未発達な可能性があります。また、ご両親や祖父母に足のトラブルを抱えている人がいる場合は遺伝的な要素が影響している可能性があり、足に少しでも気になることがある場合は、ぜひご相談ください。