「運動後に脚が痛い」「週5でスポーツしている」「身体が硬くて将来が心配」
「成長痛って何?」「試合に出れなくなるから休めない!!」
「子供の身体は大人では起こらないような障害が起きることがあります」
「一概に成長痛といっても原因も症状も様々です。」
「今回は子供の障害【成長痛】についてのお話です。」
こどもの身体が大人の身体と大きく異なるのは発育変化の途上という点です。運動器のそれぞれの質や量が変化し、運動器同士でも発育・発達の変化は一律ではありません。
発育の進み方には個人差が大きく、小学校高学年〜中学生前半は個人差が最大になります。骨格や発育段階、性別や運動習慣、運動環境などによって損傷リスクは変わり、一人一人にあった運動強度を超える負荷によって発生します。
発育期の骨格に生じる損傷は発育を妨げたり、永続的な後遺症変化を残したりする危険があり、保護者や指導者は生涯スポーツを楽しめる骨格発育を守る責任があります。
小児疾患の特徴
成長痛の正体とは
こどもの骨には成長軟骨と呼ばれる骨の成長に必要な軟骨が存在し、骨の質や強度は十分に高くなっていません。
さらに、筋・腱の発育は骨長発育よりも遅れるため緊張が高まります。軟骨組織に過度の負荷(繰り返しのストレス)や牽引力が高まることで障害を起こし痛みが誘発されます。
膝や踵、肘など成長軟骨があり、ストレスのかかりやすい場所に発生するのが成長痛です。
発育期特有のスポーツ障害
骨端症
骨の末端(踵や膝の骨)にある成長軟骨に反復性の負荷がかかり軟骨層が引き離されたり、浮き上がったりしてしまう症状です。代表的な疾病ではOsgood病やSever病があります。
疲労骨折
発育段階の骨は基質が柔らかく、反復的に衝撃や牽引力がかかることで骨折と同様の骨損傷を呈してしまいます。X線でも見逃してしまうこともあり、症状をしっかりと判断したり、MRI検査を検討することも重要です。
離断性骨軟骨炎
関節の軟骨とその下の骨の一部が引き剥がされる状態を離断整骨軟骨炎と呼びます。関節面に圧迫力と衝突が反復して起こることで発生すると考えられており、代表的な疾病は野球肘で投球動作を繰り返し行うことで発生します。
予防の重要性
セルフチェックとセルフコンディショニング
からだの硬さのチェック
「こどもの身体は柔らかい」と思いがちだが決してそうではない場合が少なくありません。
『耳の高さまで肩を挙らない』『体前屈で手が床につかない』『踵をつけたまましゃがみこみができない』など柔軟性の低下は障害の要因となります。
痛みを見極める
痛みとは身体から発信される赤信号です。こどもは様々な事由で痛みを正確に伝えられません。小さな痛みでも軽視せず適切な対策をすることで障害の予防になります。
関節の動きをチェック
肘や膝など関節の動きに左右差や日常と比べて動きにくさがないかなどをチェックします。痛みはないが動きが悪い。この場合も何かの障害が隠れていることが少なくありません。
練習内容のチェック
- 基礎トレーニングをしっかりやる
- 正しいフォームやテクニックを見つける
- 科学的根拠を持つ
- ルールを守る
- 適度な緊張感を保つ
- 自分の能力を過信しない
- ウォーミングアップとクールダウンを行う
- 無理な練習計画を立てない
- 規則正しい生活、十分な睡眠、バランスの取れた食事を心がける
- 定期的にメディカルチェックを受ける
- 用具、設備、環境に配慮する
- サポーター、テーピングを適切に使用する
- 年齢や個々に応じた運動内容を行う
- 練習時間や頻度への配慮(練習過多にならないようにする)
- 競技特性の理解する