「最近筋力が落ちてきた」
「その痛みは筋力が弱いから出ていますね」
「治療法は。。。筋力をつけてください」と言われた
筋力をつけるためにはどうしたらいいの?
たくさん歩いているから筋力はつくはず。。。
パフォーマンスを上げるために筋力を強化したい
こんなお悩みがたくさんあると思います。
今日は【筋力強化のポイント】についてのお話です。
筋力強化には、様々なメリットがあります。
基礎代謝の向上、骨密度アップ、免疫力向上などにより、生活習慣病のリスクを低減し、疾病や障害の予防になるため総合的な健康増進に繋がります。さらに日常生活での動作が楽になり、活動的で充実した生活を送ることができます。
またスポーツを行う上で筋力強化はパフォーマンス向上に絶対的に不可欠な要素です。
どうしたら筋力を強化できるの?
筋肉を強化するポイントは、大きく分けてトレーニング、栄養、休息の3つにまとめられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
トレーニングのポイント
筋肉は、トレーニングによって微細な損傷を受け、その修復過程でより太く強くなります。この過程には、タンパク質合成の促進、筋繊維の肥大化、神経系の適応などが関わっています。
【負荷の漸進的増大】
筋肉に常に新しい刺激を与えることが重要で、定期的に負荷を増加させることが不可欠です。これは、重量を増やす、反復回数を増やす、セット数を増やすことで筋肉は成長を促されます。
【複合運動と単関節運動の組み合わせ】
複合運動(スクワット、デッドリフトなど)は、複数の関節と筋肉群を同時に動かすため、効率的に多くの筋肉を刺激できます。一方、単関節運動(アームカール、レッグエクステンションなど)は、特定の筋肉をピンポイントで鍛えることができます。
【適切な回数とセット数】
一般的に、筋肉を増やすためには8〜12回の反復を3〜4セット行うことが推奨されています。筋トレは目的のよって筋力強化(一度に最大限の力を出す能力)、筋肥大(筋肉の量を増やす)、筋持久力(同じ運動を長時間続けられる能力)に分けられ、それぞれに推奨される重量や回数、セット数などが決められています。
*最新の研究では重量や回数による筋肥大の優位性に差はなく、筋ボリューム(重量✖️回数✖️セット数)の値で疲労困憊まで追込むことが重要とされています。
筋トレで大切な筋タンパク質合成率とは?
筋タンパク質合成率とは、簡単に言うと、筋肉が作られるスピードのことです。筋肉は、トレーニングによって損傷し、その後修復・再生される過程で成長します。この修復・再生の際に、新しいタンパク質が合成されるのですが、その合成スピードが「筋タンパク質合成率」です。筋タンパク質合成率が高いほど、筋肉は早く成長します。つまり、筋肥大や筋力アップを効率よく行いたい場合、適切なトレーニング、栄養、休息を組み合わせることでこの合成率を上げることは非常に重要です。
栄養摂取のポイント
筋力トレーニングの効果を最大限に引き出すためには、栄養学的な側面を深く理解することが不可欠です。単に「タンパク質を摂る」というだけでなく、栄養素の種類、摂取タイミング、量を科学的な根拠に基づいて調整することで、より効率的なトレーニングが可能となります。
トレーニングに必要な栄養素
タンパク質 筋肉の合成と修復に不可欠で、アミノ酸の構成単位です。特に必須アミノ酸は体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。体重1kgあたり1.6〜2.2gが一般的ですが、個人の目標や活動量によって調整が必要で鶏むね肉、魚、卵、大豆製品などが推奨されます。 |
炭水化物 トレーニング時のエネルギー源で、特に高強度のトレーニングでは、筋肉への糖の供給が重要です。トレーニング前には速やかにエネルギーとなる単糖類や二糖類、トレーニング後には持続的なエネルギー源となる多糖類が有効です。トレーニング強度や目標によって調整が必要ですが、一般的にはタンパク質と同程度の量を摂取することが推奨されます。 |
脂質・ビタミン・ミネラル 良質な脂質は、ホルモン分泌を促し、筋肉の成長をサポートし、ビタミンやミネラルは、体の代謝を円滑にし、筋肉の機能をサポートします。 |
サプリメントは必要なの?
サプリメントは、食事だけでは不足しがちな栄養素を補い、トレーニングの効果を高め、リカバリーの促進をサポートをしてくれます。特にプロテインやBCAA(アミノ酸)などは、食事だけでは十分な量を摂取するのが難しい場合があります。
プロテイン 筋肉の合成と修復に不可欠な栄養素です。ホエイプロテインやカゼインプロテインなど、吸収速度が異なる様々な種類があります。特に、トレーニング直後のタンパク質摂取は、筋肉の合成を促進する効果が期待できます。 |
BCAA(分岐鎖アミノ酸) バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類のアミノ酸から構成され、筋肉の分解を抑制し、合成を促進する効果が報告されています。特にロイシンは、筋肉タンパク質合成のスイッチとなる重要なアミノ酸です。 |
クレアチン 筋肉内にATP(エネルギー物質)を再合成する速度を速め、高強度のトレーニングのパフォーマンス向上に貢献します。短時間の高強度運動におけるパワー出力の向上や、筋量の増加効果が報告されています。 |
グルタミン 免疫機能の向上や、腸内環境の改善に役立ちます。 |
サプリメントは、筋力トレーニングの効果を最大限に引き出すことができるツールです。しかし、万能ではなく、個々の目標や体質に合わせた適切なサプリメントを選択し、食事やトレーニングと組み合わせて利用することが重要です。
休息の大切さ
筋肉はトレーニング後、休んで修復されることで成長します。同じ部位の筋肉は、48〜72時間程度休ませ、十分な睡眠、バランスの取れた食事、適切なサプリメントなどが有効です。
超回復が筋力を強化する
筋力トレーニングによって筋肉に負微細な損傷が生じると身体の反応として、修復と再生のプロセスが開始されます。この修復・再生過程において、筋肉は損傷前の状態よりも強くなることが多く、これを「超回復」と呼びます。また、睡眠中に成長ホルモンが分泌され、筋肉の修復が促進されます。質の高い睡眠を心がけましょう。
超回復のメカニズム
- 損傷: 筋トレによって筋繊維が微細に断裂し、炎症反応が起こります。
- 修復: 損傷した筋繊維は、衛星細胞の活性化によって修復されます。
- 合成: 修復された筋繊維は、タンパク質合成を促進し、より太く強くなります。
- 超回復: 修復が完了すると、筋肉は損傷前よりも強くなり、パフォーマンスが向上します。
まとめ
筋肉のつきやすさには個人差があり、年齢を重ねるにつれて、筋肉をつけるのが難しくなる傾向があります。筋肉をつけるためには、トレーニング、栄養、休息の3つの要素をバランス良く行うことが大切で、しっかり理解して行うことで効率よく筋肉を成長させることができます。「この筋トレをすれば大丈夫!!」という魔法のトレーニングは存在しません。地道に続けることが一番効果の高いトレーニングです。自分に合ったトレーニングプログラムを知りたい場合は、タカスポにご相談ください。